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コンタクトレンズと眼の障害
コンタクトレンズを着けて眼を悪くした人が毎日何人も受診されます。
なぜ、コンタクトレンズを着けて眼を傷めるのか、ご存知ですか?
そのメカニズムは一般の人たちにはほとんど知られていません。
また、とても誤解が多いのです。この際、ちょっと勉強してみませんか?

 誤解その1コンタクトレンズでできる眼の傷は、コンタクトレンズでこすれてできる。
 
 誤解その22週ごとに新しく交換するコンタクトレンズの方が、
従来型の長く使い続けるコンタクトレンズよりも、眼に安全である。
   
 誤解その3ハードレンズの寿命は5年、ソフトレンズの寿命は2−3年である

 上の誤解は多くの人が固定観念として持っています。
 しかし、真実は違います。

 正解その1コンタクトを着けると、眼の表面は部分的あるいは全面的に涙不足になります。
眼の表面の細胞は涙から酸素を得ているので、涙が不足すると呼吸ができず、細胞は脱落します。

これが、いわゆる傷となるのです。
   
 正解その2コンタクトは見た目に同じでも、メーカーやモデルによって、材質や物性がぜんぜん違います。
質の高いコンタクトを頻回に交換するのなら理想的でしょうが、質の低いコンタクトをいくら新しいものに取り替えても眼のためにはなりません。

ここで言う質の高いコンタクトとは、レンズ表面が分子レベルで緻密に
仕上がっていること、涙の交換がスムーズに行われることの2点を満たしているものを指します 。
   
 正解その3レンズの寿命については、もともとメーカーは何も保障していません。
かなり昔、だいたいの目安として語られたことが今だに固定観念として残っているのです。

最近のハードレンズは酸素透過性を高めるための改良により、昔のPMMA製よりも表面劣化や変形が起こりやすく、せいぜい3年が寿命でしょう。ソフトレンズも薄くなり、ディスポーザブル系でなくても1−2年が寿命でしょう。

いずれにしても、レンズ寿命は個人差があり、定期検査で医師が換えるべきだと言った時が寿命です。
   
   


コンタクトレンズは涙が決め手

コンタクトレンズを快適に装用していく上で最も重要なポイントは、コンタクトレンズと眼表面が涙で十分に潤っていることです。
ここでは、コンタクト装着時の涙の動態を勉強しましょう。

◆ ハードレンズと涙

基本1涙の分布涙はコンタクトレンズの下に集まる。
コンタクトの両側(3時−9時)は、涙が枯れやすい。
コンタクトをしない時
涙(緑色)は眼の表面
全体に分布する。
コンタクトを着けた時
涙(緑色)はコンタクトの
下に集まる。
黒目の両端が傷つき、
その外側の白目が
充血する


基本2涙の交換コンタクトが動くことによって、
コンタクト下の涙は周りの新しい涙と交換される。
(ポンプ作用)
まばたきをする前
(縦断面)
まばたきの瞬間
コンタクトは上に移動
まばたきの後
コンタクト下の涙は
新しくなる
 
◆ ソフトレンズと涙

基本1涙の分布
レンズは含水性で径が大きい。
涙はコンタクトにしみ込み、黒目(角膜)とその周りの白目をおおう。
 
涙が潤沢な眼では、コンタクトが潤い、
眼の表面の細胞は涙(緑色)に
おおわれ充血しない。
 涙が少ない眼では、コンタクトが乾き、
眼の表面全体が涙不足となり、
角膜は濁り、白目は全周充血する。

基本2涙の交換(1)レンズの実質を涙が通過する、
(2)ハードレンズ同様コンタクトが動くことによって
  周りの涙がレンズ下に吸い込まれる。
  (ポンプ作用)、の両方によって涙の交換がおこなわれる。
 
涙(緑色)はレンズの実質を
通過して眼球表面に達する。
 コンタクトが動くことにより、
周りの涙(緑色)は
コンタクト下に吸い込まれる。
 
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Part2:あなたのコンタクトの表面は大丈夫ですか?
 
◆ 巨大乳頭結膜炎
コンタクトの表面が悪いとおこる合併症です!

・いつも目やにが出る。いつも充血している。
・かゆい。かすむ。
・ステロイド、抗生物質の目薬で治療します。
 
◆ コンタクトの表面はどうなっているのかご存知ですか?
良いコンタクトの表面: 涙できれいにおおわれています。
悪いコンタクトの表面: 涙をはじいている、沈着物が付いている。
コンタクトの表面は、上まぶたの裏側と接しています。
コンタクトの表面が悪くなると、上まぶたの裏が障害を受けるのです!
■ 良い状態 ■



コンタクトの表面は涙で一様におおわれ
上まぶたの裏は涙と接している。
■ 悪い状態 ■



コンタクトの表面は涙をはじき
コンタクトの地肌や沈着物が
直接まぶたの裏をこする。
 
◆ コンタクトの表面が悪いときはどうすればよいのでしょうか?
・表面が乾きやすい時→(1)目薬をコンタクトの上からたびたびさす。
(2)コンタクトを別のメーカーのものに変えたうえで、
  さらに目薬を併用する。
・表面に沈着物が付く時→コンタクトを別のメーカーに変える!

コンタクトの表面が悪いというのは、実は表面の分子構造が変化してしまっているのです。
ですから、いくら洗っても、目薬をさしても、すぐに乾いてぼやける、必ず沈着物が付くことになります。
コンタクトを別のモデルに(できればレースカット製法のレンズに)変更し、
早めの交換を心掛けるのが適切な対処法です。
 
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まとめ
さて、眼に良いコンタクトレンズとはどんなものでしょうか。
コンタクトレンズを選ぶ時のポイントを挙げてみましょう。

<ポイント1>
    ハードレンズはソフトレンズに比べて、角膜(黒目)の重篤な合併症が少なく、安全性は高い。しかし、白目の充血(黒目の両側)は、ほぼ必発です。
    長く使用していると、黒目の両側の白目に黄色っぽい盛り上がりができて、治らなくなる人もいます。
<ポイント2>
    ソフトレンズは涙が潤沢にある眼では、充血が少なく、また、違和感もないため、理想的なレンズと言えます。
    しかし、涙が少ない眼では、ソフトレンズはややもすると危険であり、人工涙液の点眼を併用すべきです。
<ポイント3>

    2週間ごとに新しくなるソフトコンタクトがもてはやされていますが、コンタクトは新しくなれば良いのではありません。質が問題です。
    質の良いソフトコンタクトは表面の劣化や汚れが少なく、涙の交換がスムーズです。

    2週間毎交換レンズなど、ディスポ系のレンズはすべて「モールド製法(たいやき式)」で、
    分子構造の仕上がりが粗雑で表面が傷みやすいという欠点があります。

    2週間毎に交換しているから安心という考えは誤りで、定期検査を受けてくださいね。

<ポイント4>
    コンタクトが汚れるのは、コンタクトの表面の物理化学的な性質と、その人の涙の性状との折り合いが悪いからです。
    すなわち、コンタクトの表面が涙の成分を吸着しやすくなっているのです。
    汚れを洗い落としても、眼に着けるとまた汚れてしまいます。

    コンタクトの種類を変えるのが確実な解決法です。
    できればメーカーを変えるべきです。
<ポイント5>
    永田眼科お薦めのコンタクトレンズについて述べます。
    お薦めの第1は、メニコン社のソフトレンズ、マンスウェアです。
    このレンズは1ヶ月毎に交換するタイプですが、2週毎のディスポ系レンズと
    異なり、「レースカット製法」で作られているため、分子構造が洗練されており、
    表面がきれいで傷みにくいのです。さらに、含水率が高く、動きが良いため、
    眼の充血が少ないレンズです。会員制で販売されます。
    第2のお薦めは、メニコン社のソフトSです。レースカット製法で作られるため、
    表面が緻密できれいです。やはり充血が少ないのが特徴です。
    ディスポ系ではありませんが、永田眼科では1年以上経ったら交換することを
    勧めています。
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